



リアルと虚構が交錯するオートフィクションで描かれる、セルヒオ・ブランコ作『ナルキッソスの怒り』。2015年にモンテビデオでセルヒオ自身の出演により初演して以降、南米をはじめ世界各国で上演され、2020年のロンドン公演は、「オフ・ウエスト・エンド・シアター・アワード」の2021年度最優秀新作賞を受賞した本作。待望の日本初上演!
出演はミュージカルからストレートプレイまで、その確かな演技力で劇場空間を魅了する成河がひとり芝居で挑む。 物語はセルヒオ自身が滞在したスロベニアの首都リュブリャナのホテルでの体験を基に描かれる。冒頭、成河はセルヒオとの交流を観客に語り始める。そして展開される、ホテルでの奇妙な出来事。そこにいるのは、成河かセルヒオか…緻密で怪奇な世界に観客を誘う。 演出するのは、藤田俊太郎。常に言葉と対話を大事にしている藤田が成河とタッグを組み、オートフィクションミステリーの世界を描く。
出演はミュージカルからストレートプレイまで、その確かな演技力で劇場空間を魅了する成河がひとり芝居で挑む。 物語はセルヒオ自身が滞在したスロベニアの首都リュブリャナのホテルでの体験を基に描かれる。冒頭、成河はセルヒオとの交流を観客に語り始める。そして展開される、ホテルでの奇妙な出来事。そこにいるのは、成河かセルヒオか…緻密で怪奇な世界に観客を誘う。 演出するのは、藤田俊太郎。常に言葉と対話を大事にしている藤田が成河とタッグを組み、オートフィクションミステリーの世界を描く。
― STORY ―
劇作家であり、大学で教鞭も取るセルヒオ。彼は学会に出席するため、スロベニアの首都リュブリャナを訪れる。そこで、イゴールという美しい青年と知り合い、彼との情事に溺れていく。そして滞在するホテルの部屋、228号室で発見したのは部屋のあちこちに点在する数々の、染み。この2つの事象が、セルヒオを戦慄の真実へと導いてゆく…!
― 原作紹介 ―
『ナルキッソスの怒り』北隆館刊行
©2022 北隆館(ISBN978-4-8326-1032-3)
『テーバスランド』(2019年北隆館刊行)に続く仮屋浩子翻訳の第2作。本作で語られるギリシャ神話に出てくるナルキッソスとその眼差しについての、著者セルヒオ独自の詩学。「ナルキッソスの眼差しとは、自分自身への眼差しでありながら、他者を探求するものである」。自分とは他者の眼差しを通して存在する。自分を見つめる時に、他者からの問いかけが常にある。自分自身への探求を通して、他者との関りをもつ。つまり、新たな他者に出会うのだ。そして、本作は著者セルヒオ・ブランコが織りなす、リアルと虚構が交差する世界(オートフィクション)を、最後の頁までスリリングに堪能するものとなっている。一度読みだしたら、その緻密で怪奇な世界に酔わされてしまう-(編集部より)
お知らせ
出 演

成 河
初めて戯曲を読んだ時は真剣に断ろうと思ったくらい「上演」そのものが困難に思えた作品でした。この作品が持つ「オートフィクション」という表現様式、それを日本の演劇として形にして行く作業は並大抵ではないと感じました。幸いひとり芝居ということで翻訳に深く関わらせていただける、その事に背中を押され、僅かな光と無謀な好奇心だけを頼りに引き受けました。半年ほど演出の藤田さんや翻訳の仮屋さんたちと作業を続けてきて、いま、足を踏み入れたことの無い危険な場所を彷徨うような感覚に震えています。これは得難い演劇体験になるだろうと今からワクワクしています。ぜひネタバレ厳禁で。皆さまにもこの新しい感覚を楽しんでいただけたらと思います。
演 出

藤田俊太郎
『ナルキッソスの怒り』。この戯曲に初めて触れた時から、オートフィクションという新しい演劇の可能性に魅了され続けています。舞台は現代、壮年の大学教授が学会のために訪れたスロベニアで事件は起こります。美しい青年との出会いを通し、彼が見て聴いたものは現実なのか幻なのか。自分、とは何者なのか。劇はギリシャ神話をモチーフにしながら、現代社会、環境、格差、人間の在り方など多くの疑問を投げかけます。ユーモアを交えて、時に有名な映画や音楽のシーンを織り込み、また官能的に進んでいきます。
成河さん、作者であるセルヒオ・ブランコさん、翻訳の仮屋浩子さん、北隆館の関係者の皆様、プロデューサーの皆様と時間をかけて上演台本を創りました。その過程そのものが劇的であり、作品の中に反映されています。
成河さんの言葉、身体、歌、芝居には美しさと輝きが宿り、2026年の世界を写し出す鏡になると思います。この鏡は頑丈なのか、それとも血だらけなのか、はたまた粉々に砕けているのか。お客様は自分自身の現在の姿を覗き込んでいただけると思います。虚実を織り交ぜながらお届けする舞台を堪能し、体験していただけたら。日本初演の演出を担えることに誇りを持って、皆様のお越しを劇場でお待ちしております。
成河さん、作者であるセルヒオ・ブランコさん、翻訳の仮屋浩子さん、北隆館の関係者の皆様、プロデューサーの皆様と時間をかけて上演台本を創りました。その過程そのものが劇的であり、作品の中に反映されています。
成河さんの言葉、身体、歌、芝居には美しさと輝きが宿り、2026年の世界を写し出す鏡になると思います。この鏡は頑丈なのか、それとも血だらけなのか、はたまた粉々に砕けているのか。お客様は自分自身の現在の姿を覗き込んでいただけると思います。虚実を織り交ぜながらお届けする舞台を堪能し、体験していただけたら。日本初演の演出を担えることに誇りを持って、皆様のお越しを劇場でお待ちしております。
作
セルヒオ・ブランコ
セルヒオ・ブランコ
翻訳
仮屋浩子
(『ナルキッソスの怒り』北隆館刊)
(『ナルキッソスの怒り』北隆館刊)
上演台本
仮屋浩子 / 成河 / 藤田俊太郎
仮屋浩子 / 成河 / 藤田俊太郎
主催・製作
エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ / シーエイティプロデュース
エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ / シーエイティプロデュース
企画
シーエイティプロデュース
シーエイティプロデュース
公演日程
2026年
4月18日(土)~
4月30日(木)
4月18日(土)~
4月30日(木)
東京芸術劇場
シアターウエスト
シアターウエスト
お問い合わせ
チケットスペース 03-3234-9999
(10:00~15:00 ※休業日を除く)
(10:00~15:00 ※休業日を除く)
公演日程詳細・チケットのお取り扱い情報は後日発表致します。
モンテビデオ(ウルグアイ)出身、大学では文献学と演劇学を専攻。現在はパリ在住の劇作家・演出家。オートフィクションを軸に、作者、登場人物、俳優が交わる地点を探る作品を創作している。国民演劇賞(ウルグアイ)、フロレンシオ最優秀劇作家賞、カサ・デ・ラス・アメリカス戯曲部門特別賞(キューバ)、最優秀戯曲賞(ギリシャ)、オフ・ウエスト・エンド新作賞などを受賞。戯曲は15カ国語以上に翻訳され、20カ国以上で上演されている。日本では『ナルキッソスの怒り』、『テーバスランド』が翻訳出版され、『テーバスランド』は2022年神奈川芸術劇場(KAAT)で初上演、2025年『カサンドラ』が千本桜ホールで上演された。その他の代表作に『デュッセルドルフの唸り』、『私の墓を君がまたぐ時』、『Trafico』、『動物園』、『告白』、『大地』がある。